日銀考察

日銀考察

利上げ間近の日銀について、教科書的な話ではなくプロの視点で考察してみる。

村上ファンドにへの拠出問題でどたばた劇を演じている福井総裁だが、日本株に投資している欧米のヘッジファンドは驚きとともにあきれ返っている。といっても、福井総裁に対してではない。民主党に対してだ。全世界的に株が急落し(3週間ほど前)、金融市場がリスキーな状態になっているさなか、過去にたかだか1千万程度拠出したことを大げさに取り上げて、金融危機を煽る民主党、またそのことにさえ気づいていない民主党の無神経さにヘッジファンドは失望していた。

庶民の感覚では、数年の間に1千万を超える利益をあげ、ぼろ儲けしているように見えるのかも知れないが、金融業界の感覚ではとるに足りないことだ。まして一国の金融をつかさどる中央銀行総裁にとって、たかが1千万儲けたからといって、それがどれほどのことであろう。米国の元グリーンスパンFRB議長は、退任後の講演料が時給数千万円にのぼることもあるという。

今回の件で利上げが先延ばしされるのではとの思惑があるが、皮肉にも逆であろう。今月利上げを見送れば、村上ファンドへの拠出問題が影響したと解釈され、国際的な立場上よろしくない。

結果的には、早期利上げはマーケット的には良い。というのも、ヘッジファンドが最も警戒しているのが、日銀の利上げ後ずれ→速いペースでの追加利上げ→景気オーバーキル、のパターンだ。今回は利上げが早まった分、追加利上げは当分先となろう。

災い転じて福となりそうだ。

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