プロの為替会議
プロの為替会議
今日のマーケットは特段興味をそそるようなネタがない。仕方がないので、私のようなファンドマネージャーの会議はどんな感じで行われるのか、特に為替会議について少し紹介したい。
為替を考える上では大きく５つくらいのポイントがある。
- 金利差（金融政策動向）
- 経常収支
- インフレ格差
- 景況感格差
- 政治動向
主に上記の事項を意識しつつ、議論が進められる。為替の難しいところは、その時々でマーケットで重視される事項がまったく違うことである。昨年のような金利差相場があったかと思うと、今春のようにＧ７後に経常収支相場が突如としてやってきたり、一筋縄ではいかない。
会議では、各自がポイントとして考えていること、今後のシナリオなどを一通り議論するが、正直言うとかなり不毛な議論に終わることが多い。
為替のマーケットを理解しているマネージャーが極端に少ないのが実状で、素人に毛の生えたような人が５，６人集まって話あったところで、的外れな議論に終始する。
株でも債券でもそうだが、為替は特に、バランス感覚の優れた人もしくは嗅覚に優れた人しか勝てない。
ただし、個人の資産でやる分にはまったく話が違ってくる。わが国の異常なゼロ金利により生み出される潤沢なスワップポイントと時間を見方につければ、長期的にはかなりの確率で勝てると私は確信している。
